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歪談 / 2012 新春ビッグ歪談

歪談
歪弦メール談義 文字通り「激動」の年となった2011年 その年の瀬 
思いつきにより端を発した 歪弦の2人による新しい年の門出を祝う新春談義
横浜⇔宮崎の往復電子書簡ノーカット


國谷新年、明けましておめでとうございます。
歪弦の向かって右側のほうの國谷でございます。
みなさま、お正月いかがおスゴしでしょうか。
去年の2011年は激動の年でありました。
小嶋さんにとって2011年はどんな1年でしたか?

On 2011/12/28, at 13:52

小嶋:どうも、明けましておめでとうございます。
歪弦の、そのさらに右側の小嶋です。
2012年元旦は全国民、喪中になってもおかしくない年でしたね、
2011年という年は。
音楽活動以外の記憶があまりないですが(笑)、
なんだかんだで、歪弦含め計3枚CDを出せたので
良かったと思ってます。
あ、あと個人的にはPiLのライブが最高でした。
まあ月並みですが激動する世の中に色々思うことはありましたねぇ。
震災やら原発事故やらクソ政府やらクソ東電やら。
そちらはどんな年でした?
新燃岳は今どんな具合なんですか?

On 2011/12/28, at 19:06

國谷
そうそう、新燃岳は説によると
かなりマグマがまた、たまってきててやばいとききました。
空振やらたま〜にまだあるんですが、まだ予断を許さない状態のようです。

おれ、今年ほど世情も含めて
いろいろ考えた年は今までありませんでした。
原発はあんなに危険なものだとは知りませんでしたし、一番印象的だったのは
震災当時の自分も含めてのみんなの慌てっぷりをみたことでした。
ニュースがCMなしで4日連続あったなんて前代未聞でしたし
今まで漠然と思ってたんですが、あらゆるものには終わりがあると確信しました。
しかし、この狭い国に54基も原発があるなんて身の丈もクソもないですよね。
利権、金のこともすごく考えました。

音楽はやはり歪弦の作品が出来たのが良かったです。
もちっとソロ作品やライブもやりたかったんですが、
また2012年に引き続きやりたいと思ってます。

PiLはまだ現役でやってて、尚且つパワフルなのがすごいですね。
おれが今年唯一観たライブで、
友川カズキのライブにもそれに通じるものがあったと思います。

2012年はどんな年になるんですかねぇ。
とりあえずCDが売れる年になって欲しいのですが(笑)

On 2011/12/29, at 3:16

小嶋:新燃岳そうなんですねぇ。
危なっかしいですね。

CMもACの気持ち悪いのばっか流れてましたね〜。
家の近所の駅も震災直後は駅構内のポスターとか
撤去されてましたからねぇ。
"自粛"ってちょっと謎な現象ですよね。
出しっ放しにしとくと企業のイメージが下がるんですかねぇ。

俺も今年夏ぐらいに初めて友川さんのライブ見ましたよ。
ライブ後のサインコーナーで、
GOUIPLの"絶望をぶっ殺せ"のCDを手渡したら
友川さんに「俺、絶望 好きなんだよねぇ。」って言われて、
俺「はぁ...そうなんですか...。」ってなったのを覚えています(笑)。
食えない男で素晴らしいです。ライブも最高でした。

2012年は世界的にもさらに激動になりそうですね。
野田の命がどのくらい持つか。
アメリカも大統領選があったり。
中国も北朝鮮も。
余震の心配もなくなったわけじゃないですし。
冷温停止とか言ってる福島原発も実際どうだかわからんですし。

インターネットの普及で、段々ものごとの裏側を読める人が増えてきている気はしますね。
「新聞やTVが絶対的なもんでも何でもなかった。むしろクソなこともある。」っていうのが、
浸透してきているのは良いことだと思いますし。
これが浸透してはじめて、大本営発表とマスコミに洗脳されやすかった戦前から続く状態を脱して
初めてまともな国になるんじゃないんですかね。

さまざまな分野(政治でも商売でも)で、
今までやってきたことが通用しなくなってきて
新しい何かが生まれる直前にいるような、
そんな、なんか新しい時代の節目にいるのかなって
ほんのり思いますね。

CDもレコード会社の宣伝で無理やり売りつけていたくだらんものが売れなくなって
本当に良い音楽だけが残るのであれば、それでいい気がします。

日本の音楽業界も全てがぶっ壊れて何かが大きく変わる直前のような気がします。
"結局もう金儲けにならない業界なんだ"となれば、そこに群がっていたハイエナみたいな方々が消えて
本当に真摯に音楽を作ろうっていう人だけ残るかもしれない。願望ですけど。

そんでもってその時こそ、我々インディペンデントな人間の力の見せ所かもしれません。

まあそんな時代の流れとは関係なしに我々は作り続けますけども!
2012年はGOUPILの2ndアルバムを作るのが最大目標ですね。

On 2011/12/29, at 13:54

國谷そうだったんですか
ポスターとかはがされるんですね。
ガキのとき、天皇が崩御したときマクド行ったらあのときも
店内が薄暗かったの思い出しました。
ACのCMもですが、あの「がんばろう」とかいうスローガンも気色悪かったです。
例えばあの「がんばろう」ってマラソンで走ってるとき横の沿道から言われたら、
たまらないと思うんですよね。
頑張って今走ってるじゃねぇかって。無神経も甚だしいです。

東電にしろ、うんこ企業は
うんこのくせに自分のケツもふけないまさしくクソ企業ですよね。
イメージとかばっか守って、クソばっか撒き散らしてあげく
助けてくれ〜て憐れの一言に尽きますわ。

お、ライブ行かれたんですね。やはり粋な男ですね友川さん。
あの人いつ死んでもおかしくない人みたいで
そこまで生活やら追い込んであんな歌が歌えるんだと知ってる人からききました。
生活やら人のなりとかやはりそのまま音楽と直結してるのが良いんだなぁと思いました。
そんな音楽ばっかおれ好きですし。

て、考えたら即興音楽て
音楽の中でもかなり顕著に「その人」が出てきますね。
色んな人の完全即興をきいてみたいなぁ〜と今ふと思いました。
友川さんとか三上さんとか歌心持ちながら、即興を受け入れてるとこが良いですね。懐の深さ。
ヒットチャート賑わしてるやつらもぶっ壊してやってみれば良いのですが。

野田の命…
はじめて顔見た時点で虫の息感が漂ってました(笑)
どうなんでょうねぇ。
あれ昔から、思ってるんですが
何でなんとか派閥とか誰それと仲悪いとか見せるんでしょね。ニュースとかで。
しがらみとか見せられても知らんし、さっさと政策とか進めて見せろやって思います。

結局、本気のやつらがいないんですよね。
どんだけ追い込まれないと分からんとかなぁて思ってしまいます。
ともかく、2012年は変革の年になりそうです。

なるほど、確かにネットの普及で
全てのことやらリセットされるような感じがしますね。
戦後からずっと続いてきた悪しきなものたくさんありましたから
何かが変わるワクワク感を持ちたいですね。

インディーって何者にも左右させられないのが魅力ですね。
自由であり、好き勝手出来るし。
おれ、震災の映像で避難所の伝言板にびっしり紙がはってあるの見て
オオッ!と思って
あれこそインディペンデントであると思いました。

直に人に伝えたい声をアナログで届ける、
そのシンプルさを人はいくらネットが普及したとしても
最後は求めるんだなと思ってなんだかホッとしました。

GOUPILのアルバム、そりゃ楽しみです!
おれも2012年は封印を解いてもう好きなもの、趣味を打ち出そうと画作中で
ヒカシューやらYMOやらあそこらへんの80年代のテクノポップの作品を出そうとしてます。
我のことながら楽しみです。

On 2011/12/30, at 1:07

小嶋
:「頑張って今走ってるじゃねぇかって」

(笑)。ほんとその通りですよね。

俺なんかも野球やらサッカーやら何やら
「がんばれ〜!」と応援してる人を見ると
「いや!お前が頑張れよ!」と突っ込んでしまって駄目ですね。
スポーツするのは嫌いじゃないですけど
あのスポーツ応援する人たちに混じるのは無理ですね。
何なんですかね。俺が天邪鬼なんでしょうか(笑)。
それにしても日本人、マラソン好きですもんね〜。
正月からなんで走るのかわからないし。
あれって見るもんなんですかね。やるもんとちがいますかね。

友川さんもライブのMCの時
原発やセシウムのことばっかり喋ってました(笑)。
政府の対応のクズ具合も。

インディペンデント。
そうですね、もう一度いろんな分野で原点に立ち返って欲しいですね。
最新技術に振り回されて、肝心なことを忘れてる人って多いんじゃないですかね。

音楽も、作る側と聴く側の間に別にだれもいらないっちゃいらないですからね。
なんか直のやりとりがネットによって復活したりするとまた面白い動きがうまれるのかもしれません。

テクノポップ行きますか!面白そうっすねえ。
やっぱり自分がワクワクするものを作らないとウソですし、インディーの意味がないですからね。

俺は2012年はもっと製作スピードを上げたいですねぇ。毎年言ってる気がしますが(笑)。
あと絵もきちんとしたのを描きたいですね。これも前から思ってるんですが。

on 2011/12/30, at 2:01

國谷スポーツで応援するのは、祭りに近いものがあると思うのですが、
日本の国民性なんですかねェ。
メジャーリーグの客はそんな感じじゃないし。マラソンは謎ですね。
観る醍醐味を見いだせませんが、ビリから前を撮る映像だったらちょっと観るかも知れません(笑)

昔と今の音楽の違いって考えたらまず「丁寧さ」が違うと思います。
昔の売れた曲でもその筋の作詞家や作曲家や編曲する人たちが
しっかりいて、良い曲が断然今より多いですし、
今はほっておいたら機械がつくってくれるような感じの曲ばっかで「雑」なんですよね。
もう「雑」がいやでいやでたまりません。
東電、政府の対応もそう、
2011年を象徴する一文字は「絆」なんかより俺の中では「雑」です。

「丁寧」に作品の毛細血管まで命を吹き込んでいけるのが自主制作の良いところですね。
全てのこともそうあるべきなんですが。

ほいでおれ、あの津波の映像みたとき、「あ、おれ確実に死ぬ」って思って
無節操かなって躊躇してたこと、もう良いから生きてる内にやったろって思いまして。
即興の作品はある程度パワーがたまらないと出来ないし、
とりあえず今度は練りに練って作り上げたもんをだそうと思ってます。
あとそれをどうライブで再現するかなんですが、なんにせよ2012年楽しみです。

絵も期待してます!

On 2011/12/30, at 11:51

小嶋:ビリから前を撮る映像だったらちょっと観るかも知れません
それちょっと面白いですね。
"チクショー!スタート直後にもう先頭集団ぜんっぜん見えねぇ!"みたいな。
ビリの人たちはある意味インディペンデントですよね。

俺の中だと2011年の漢字はやっぱり「死」になってしまいますかね。
多くの人が死んだという"死"よりも、"死"というものを突きつけられた1年という意味で。

アメリカでは、9.11の前と後で国民の考え方や意識が変わったみたいなことを言ってて、
日本に住んでると正直そこまでピンとは来なかったですが、
今回の3.11の地震はそれ以上に日本国民の意識を変わらせるものだったと思います。

「あっ人間て死ぬんだ。しかも、それまでの人生と全然関係ないところで。自然の気まぐれで死ぬこともあるんだ。」
という、ぼんやりとした認識じゃない、身近に迫った実感として死を考えた人は多いと思います。
地震も津波も原発も放射能もそれを突きつけた。

で、その死を目の当たりにして生き残った人たちには、あとは"生"しかないわけで、
2012年の漢字は(もう発表しちゃいますよ!)「生」でしょう。

これからをどう生きるかっていうことだと思います。
無念の死を迎えた人たちへの弔いもそれしかないでしょう。

生のパワーにあふれた作品が世にたくさん出ることを期待しています。うわべだけじゃない奴。
というか、我々が作らにゃなりませんね!

といった2012年に!
いざスタート。

On 2011/12/30, at 19:50

歪弦
2011/12/31